形を思い出すときの方法

つい一昨日、人の頭部に触れる機会があり、その時頭蓋骨の形を強く感じてこの二日ばかり反芻していた。何故反芻していたかといえば、はちの狭い、おそらく美しい形であるのにも関わらずとらえどころのない頭蓋骨だったからなのであるが、記憶の中の形がどこからきてるのかといえば、側頭部に触れた手がつくる湾曲の形や両手の距離感などを視覚的に覚えていて、それを型としてその中に当てはまる形を呼び出して、推測で形作っているのである。

 

そんな中、西川美和「その日東京駅五時二十五分発」を読み始めると、

「されこうべ」という単語が冒頭にでてきた。人の顔をみているとされこうべが透けてみえてくるというくだりだった。